オフサイドってルールであってルールじゃないんだ
オフサイドのルールをきちんと説明できるようになってから言うべきだよね…村枝健一先生との飲みになぜか招か... - igi/Tumblr*1
分からないことを分からないと理解し、あまつさえ、それを口にまで出す村枝先生に脱帽。2014年6月14放送のアニスパ!でのOPトークにも似たような場面があった。サッカーを全然知らないという浅野真澄さんの「オフサイドって何!?どこ?」という発言を受けた鷲崎健さんのツッコミが「場所じゃねぇよ!いや、俺も知らないけど。」いつものお二人の軽妙なやり取りに埋もれてしまいがちだがやはりプロだ。
今更、ソクラテス*2の無知の知について長々と話すつもりもないのでどんどんいこう。
じゃあオフサイドってどういうルールなんだ?
オフサイドが成立する前提として、選手がオフサイドポジションにいることが求められる。 オフサイドポジションとは以下の条件を全て満たした位置のことを指す。
- 相手陣内にいる。
- ボールより前にいる。
- 相手の2番目に後ろの選手よりゴールラインに近い位置にいる。
なお上記項目3.に関しては、大抵一番後ろにいる選手はゴールキーパーであるため、以下のように言い換えれば、より理解しやすくなる。
ただし、ゴールキーパーが味方選手より前に位置するときには、この言い換えは成り立たない。
「より理解しやすくなる」?むしろ分かりにくいよ!という方とともに順番に見ていこう。
- これは理解出来る。あの真ん中にある線を境にして、「こっち側」と「向こう側」のことだ。
- 「何を当たり前のことを!」なんて言ってはいけない。Rugby Footballとの決定的な違いだから。とはいえサッカーに限れば説明することもない。
- ここだ。分からない人がつまづく一番の山場だ。
wikipediaでも言われてるけど、「もしオフサイドがなかったら」の仮定法で説明するのが分かりやすそうだ。*3
こうなるよ(確信)
(5:27あたりからの一連のプレイ)
俗に言う置きプレイ。つまらない?そうだろうとも。サッカーをより面白くするという目的のため。そのために生まれた縛りプレイ、すなわちルール。それがオフサイド。
オフサイドを否定してしまうと、近代サッカーの全てが否定される。というより、全ての近代サッカーはオフサイドから始まっている。WMシステムも、その発展系であるマジック・マジャールというチームも、カテナチオもトータルフットボールもリベロもゾーンプレスも全てだ。
ケンブリッジが採用したassociation footballの上に約1世紀半、研究されてきた歴史そのものがオフサイドというルールを前提に形作られてきているんだ。*5「面白い試合を」という思想を核に時代時代で様々なエッセンスが加わって出来たのが現代サッカー。そんな競技が面白くないわけがない!
これからのスターを青田買いするのも良いし、脂が乗ったスターの活躍に胸を躍らせても良いだろう。ベテランの何気ないプレイにしたり顔で解説するのだって良い。「オフサイドとか面倒でよく分からない……」と敷居の高さを感じているのはもったいない。「ボールと地面があれば良い」とまで言われる競技は何人も拒まない。
さぁ、W杯を愉しもう
【以下、個人的追記】日本のプロサッカーは生まれてやっと成人を迎えた時期にすぎないので、完全に自立したとは言えない。己の考えに立脚したスタイルを持つことが出来て初めて「自分の国はフットボールをやっている」と胸を張って言える。だから今はまだ日本代表に期待していないし、興味もあまり湧かない。これから、これからだと考える。